オーナーのHさまが一番心配されていたところです。ここ(4階の軒天部分)からコンクリート片が落下して、万が一のことがあったら大変です。
爆裂部及びひび割れた脆弱部分は全て撤去した上で、ステンレス全ネジピンをエポキシ樹脂で固め、ステンレス針金を巻きつけたところに軽量エポキシ樹脂モルタルで包んで成形し、絶対に落ちないように工夫しました。
誤解のないように付け加えますが、専用プライマー塗布後軽量エポキシ樹脂モルタルでの施工でも、軽量で強度があり接着性に優れているため全く問題はありません。普段はこれで施工しますが、神経質になっておられた分、安心してもらいたいために弊社工事部が自発的にご提案したサービス工事です。それをお伝えしたところオーナー様には大変喜んでいただけました。ちょっとした手間で、安心感は大きく違ってくるものです。
補修すべき部位にマーキングした上で、弱いところは取り除いてしまいます。ところどころ鉄筋のかぶり厚も不足しています。
塗装膜でかろうじてくっ付いていた部分は、簡単にボロボロと取れてしまいます。
脆弱部撤去詳細。
エポキシ樹脂及びピン挿入固定のために、マーキングした箇所に順次穴をあけていきます。
樹脂注入後にステンレス全ネジピンを挿入。
アンカーピン挿入後、1日置いて硬化するのを待ちます。
翌日、アンカーピンは躯体と完全に一体化しています。
ピンからピンへとステンレスの針金でぐるぐると巻きつけていきます。その上から軽量エポキシ樹脂モルタルを包んで形を作っていきますので、補修方法としては最高水準のやり方です。
針金の巻き付け完了。 端から端まで全て繋がった状態です。
欠損部のピン及び針金巻き付け。前回の塗装工事で欠損部を残したまま塗られていたところです。コンクリートが欠けたままではおかしいので、ここにも軽量エポキシ樹脂モルタルで成形することにしました。
爆裂部の鉄筋が露出しているところの錆はケレン処理をした上で、防錆機能を持つ補修用プライマーを全面に塗布していきます。
軽量エポキシ樹脂モルタルを用いて、針金で巻きつけたアンカーピンを包み込んだ上で、全体の形を作っていきます。
横一列全面に及んだアンカーピン併用の軽量エポキシ樹脂モルタル充填作業が完了しました。仕上がってしまうと判らなくなりますが、施工途中を見ると安心できる内容であることがすぐに理解できると思います。
補修部のクローズアップ。アンカーピン併用の軽量エポキシ樹脂モルタル充填補修完了。