
外壁の目地やサッシ廻り・建物に付属するフード類や設備類・板金やその他の部材との取り合い部には、隙間を埋めるために各種のシーリング材が使われています。
外壁リフォームでの使用頻度が高いこのシーリングについて、一般的なことがらや種類・用途についてご紹介します。

シーリング材はマヨネーズのようなドロッとした粘度の高い液体が、硬化するとゴムのように弾力性を持つ物質に変化します。
これを使うことにより建物の揺れを吸収したり、防水性や気密性が保たれるようになります。
したがって、このシーリングの劣化による切れ・剥離やひび割れをそのまま放置していると、雨漏りの原因になることもあります。
そのように劣化した場合には、既存シーリングの増し打ちや打ち替えにより対処し、元々備わっていた性能を取り戻してあげる必要があります。



ここでちょっと余談になりますが、『雨水が浸入しても出口があり、しかも自然に通気していることで乾いてしまうという、昔ながらの木造建築で培われた雨仕舞いの考え方』を無視して、水の出口までシーリングで塞いでしまったら、逆に漏水につながってしまうおそれがあります。水とけんかするばかりではいけません、上手に付き合うことも時には必要となります。
外壁リフォームでよく使われるシーリングの種類としては、
①ウレタン系(ポリウレタン)
②変成シリコン系(変成シリコーン)
③ポリサルファイド系
④シリコン系(シリコーン)があります。
塗り替え時には①or②、外壁タイル面では③、金属やガラス面他では④というように材料の持つ特徴をよく理解したうえで使い分けます。

そして、それぞれに1成分形と2成分形に分かれます。よくホームセンターなどでも販売されているのは1成分形で、空気中の湿気と反応して硬化するタイプで、カートリッジに入っていてそれをガンに装填して使用します。使用量が比較的少ない場合などでよく使用します。表面硬化は早いが空気中に触れる部分から徐々に固まり、奥まで硬化するのに時間がかかるため、特に冬場などで既存シーリングを撤去して打ち替える場合には、充分に乾燥時間をとる必要があります。

2成分形は主剤と硬化剤が反応して硬化するタイプで、これにトナー(色粉)を加えてミキスター(攪拌機)で混練し、専用のシーリングガンで吸い上げて使用します。シーリングの打ち替えや新規打ちの場合は使用する量が多く、硬化が均等で早いため、このようなケースでよく使います。ウレタンの場合は6リットル缶、その他は4リットル缶に入っています。(尚、1成分形カートリッジの内容量は330ミリリットル前後)
シリコンシーリング材はそれ自体に接着力があり、水廻りなど建物内部でもよく使われ、プライマー(接着剤のようなもの)を使わずに施工できるため、建物外部でも設備業者さんなどが使うのはよく分かります。でもこれが塗料をはじくため、塗装をする方としてはあと処理が大変なのです。
それはともかくとして、シリコン以外のシーリング材の接着に関しては、いずれも自着力はほとんどなくプライマーに依存しています。したがって、必ずプライマーを塗布してからシーリングしなければ接着力は期待できません。これは1成分形でも2成分形でも同じです。
その他、塗料との密着性や汚染の度合い・紫外線やゴム弾性に対する強弱や二面接着等、注意すべき点が少なからずあり、ここでは少し説明が長くなってしまいますので、別のページの施工例などでその都度触れたいと思いますので、詳しくはそちらをご参照ください。