屋上とバルコニーがウレタン塗膜防水密着工法により施工された、RC造の店舗及び事務所併用住宅です。築後10年が経過し、防水層が薄くなりすぎてしまったためか、一部漏水していました。今回の初めての防水改修では、それを機に断熱材を使用した外断熱の防水工法としました。
施工前の防水及びパラペットの状況。
現場調査時。パラペットのモルタル笠木がRC躯体から一部剥離し、落下する危険性がありましたので、そっと外しておきました。
他にも、完全に剥離はしていないものの、全体の約60%に浮きが見られました。
まずは、既存下地を高圧で洗浄します。
モルタル笠木が取れてしまったところは、もとのように形を作っていきます。
RC躯体とモルタル笠木の間に浮きがありますので、この部分の補修をしておきます。
事前にマーキングしたところにドリルで穴をあけ、エポキシ樹脂を注入後アンカーピンを挿入して接着固定します。これをアンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法といいます。
アンカーピンニング施工中。
30mm厚の断熱材を敷き込み、その上からランスロックシートを専用のアンカーで物理的に固定していきます。
アンカーピンによってシートと断熱材を、躯体にしっかりと固定します。
シート端部(平場と立上りのぶつかるところ)には、さらに緩衝テープにより補強します。
シートのジョイント部は専用のPASテープを貼りつけ後、念のためウレタン防水材を塗布。そして入り隅部をシーリングをします。
専用の施工機械で攪拌された超速硬化ウレタン防水材を、スプレーによって施工します。準備が少し大変ですが、硬化が早くシームレスで均一な防水層の確保ができます。
超速硬化ウレタンの施工では、すぐ乾くのでその日の内にトップコートが塗れてしまいます。
次のメンテナンスまでの期間を長くとることがAさまのご希望でしたので、フッ素仕様のトップコートで施工しました。
トップコート塗布完了。
断熱防水完了後、外壁塗装工事に入ります。
メカニカルウレタン複合防水(DD-ランスロック断熱工法)が完了したあと、笠木の外側まで廻した防水材を外壁塗装する際に、少しかぶせて意匠的な配慮をしています。