
PC造(レスコハウス)二丁掛総タイル張りの堂々としたお家ですが、ひさし先端部の鼻隠・臥梁部分のタイルが一部はがれて落下しています。
一番上のタイルは役もの(L型のタイル)であったため、かろうじて引っかかっている状態でした。

施工前(調査時)の状況。
工事会社の元社長宅の工事例です。
お施主様はお仕事の関係上、多種多様なタイルの施工に精通しておられますので、張り替え場所の指定から下地用接着剤・新規タイルの選定まで、打ち合わせがスムーズに進められました。
ほぼ指示していただいた通りの施工といっても過言ではありませんでした。


施工後の状況。
鼻隠・臥梁部分の既設二丁掛タイルをはがし、新規に45二丁タイルで張り替えしました。
既存塗装部の塗り替えと防水工事(ウレタンX−1)も同時に行ないました。


タイルがはがれ落ちた場所と、それによって壊れた場所の位置関係を示す遠景写真。矢印の場所にタイルが落下しています。


タイルがはがれ落ちた部分の詳細。


屋上から見たタイルの詳細。タイルはただ引っかかっている状態です。


カーポート屋根が壊れた部分の詳細。
衝撃の凄さは想像以上です。人身事故にならずに本当によかったと思います。


弱い部分のタイルは簡単に剥がれますが、そうでない部分は少量に分けてはがしていきます。
今回は張り替えといっても同種のタイルで貼るわけではなく、既設のせっ器質タイルを剥がしたところに磁器質タイルを貼ることになり、大きさも厚みも全く違います。
しっかりと密着しているタイルも剥がす必要があり、これは結構大変な作業でした。


はがしたタイルの下地をケレンして整えます。
平滑にするためと、目荒らしをすることで密着をよくするために必要な作業です。


ケレンが終わったら、欠損部をKモル(軽量エポキシ樹脂モルタル)で補修しておきます。
順序を間違えたらいけません。Kモルは熱に弱いので気をつける必要があります。


下地用接着剤を塗りこんでから45二丁タイルを貼っていきます。
接着剤・タイル共INAXの製品で、特に接着剤に関しては高価であっても信頼性の高いワンパックボーイを使用しました。
レスコハウスのT型の建物は役物タイル(平ら以外のタイル)を多用しなければならず、予め切断した平らなタイルをサイズ調整してデザインの統一を図ります。


屋上部分の詳細。タイル張り完了。
タイルの天端まで防水を施すことにします(ガムテープの上)。L金物や笠木がない場合には、天端のタイル目地から雨水が滲みこむのを防ぐためです。
今回のようなタイル剥離につながらないためにも、タイルの裏足への雨水浸入リスクは極力無くしておきます。


中間庇・臥梁部分の詳細。タイル張り完了。


塗装(シリコン塗装)も防水(ウレタン防水 国交省X−1工法)も完了し、あとは足場を外すだけです。
尚、今回のタイル張り替え工事の施工範囲以外の場所で、役物タイルが裂けているところや、浮き部分にはエポキシ樹脂を注入して補強しておきました。