
弊社ホームページをご覧になってのお問い合わせです。「玄関ドアを取り替えなくてはなりませんか?」とのご相談でした。玄関ドアの下枠が持ち上がり、開け閉めに支障をきたしていました。

施工前の玄関ドア下枠廻りの状態。現場調査に伺ったところドア自体はしっかりしていて、枠さえきちんと直せば全く問題なく使えます。できるだけ予算を抑えたいとのご要望でしたので、ドアの取り替えはせずに故障している枠廻りの改善とドアクローザーを取り替えた上で、ドアを塗り替えることにしました。


ドアの開け閉めに一苦労です。とても力が要ります。ドア枠とモルタル目地のすきまから、長い年月をかけて滲みこんだ水が、中にある鉄筋の錆びによる膨張で枠がモルタルごと押し上げられていました。


ドア下のタイルが張られたコンクリート部分で、浮いているところを全て撤去していきます。


ドア下のコンクリートをはつって隙間ができたところで、ドア枠を下に押し下げて曲がりの修正をします。


ドアの開け閉めがスムーズにできるようになったところで、今度は復旧作業に入ります。モルタル成形する被着面に専用のプライマーを塗布します。


場所が玄関ということもあって、モルタルによる成形はできるだけ硬化の早い材料を使う必要があります。今回使用した材料は変性アクリル系速硬化軽量樹脂モルタルで、アサヒボンドの速モルというものです。コニシボンドにも同じようなものがありますが、経験上こちらの方が若干早いため使いました。


計量・混合した速モルを加圧・充填していきます。エポキシ系の樹脂モルタルほど臭いがきついということはありませんが、それでも臭います。でも安心してください。固まれば臭いはなくなります。


今回はタイルの張り替えという選択をしていないため、浮いている部分のタイルはエポキシ樹脂とステンピンでがっちりと補強をし、樹脂モルタルで補修成形したところは塗装仕上げになります。


エポキシ樹脂を注入したあと、ステンレスの全ネジピンを挿入しているところです。


ドアの下枠取り合い部には、水が滲み込まないようにシーリング処理をしておきます。


樹脂モルタルで補修したところに、シリコン浸透ガードを塗装中。


側面のタイルを取り除いた部分は意匠面での違和感がないように、タイルに似せて塗装で模様をつけることにしました。

