
断熱塗料「ガイナ」を使ったコンクリート住宅の外壁塗装及び防水保護塗装(塗装による外断熱)の施工例です。
建物の外側(外壁とフラットな屋根面)に断熱塗料を塗ることで、鉄筋コンクリート造が本来持っている高い蓄熱性を最大限に活かすことができ、省エネかつ快適な住環境が実現できます。
築15年のPC(プレキャストコンクリート)メーカーウベハウスの建物で、今回が初めての外壁塗り替えと2回目の防水保護塗装工事です。

施工前の外観。


ガイナによる塗装後の外観。


施工前 基礎及び躯体PCパネルの取り合い部周辺。
基礎部化粧モルタルの細かいひび割れや、基礎と躯体間のシーリングの劣化、そしてPC壁板間シーリングのブリード汚染が確認できます。


施工前の屋上及び2Fバルコニー。
屋上、2Fバルコニー及び庇部の防水保護塗装(トップコート)は、前回(8年前)、弊社にて施工させていただきました。
新築時施工のメルトーチ(宇部興産株式会社の製品)防水工法は、少々クセがあります。メンテナンス施工時にそのいくつかのポイントをしっかり押さえてあげれば、もともと耐久性の高い当該防水工法の寿命をさらに延ばすことが可能となります。
その甲斐あってか、今回も保護塗装でOKと判断させていただきました。


施工前の屋上。
今回は断熱・遮熱塗料のガイナを、外壁・軒天・鼻隠及び基礎に塗装するだけでなく、この屋上の防水保護塗装(トップコート)にもガイナを使用します。
耐久性はあるが高価な塗料であるガイナを、トップコートとして使うには既存防水層がしっかりしていることが条件となります。
通常のトップコートの塗り替えが概ね5年とするならば、ガイナでの塗り替えの期待値としては最低でも10年となるからです。


屋上から見た足場の組み立て。


足場組み立て完了後、外壁不良部のチェック。


目地シーリングの黒ずんだブリード汚染部にはブリードオフプライマーを2回塗りしました。


鼻隠の目地シーリングは劣化が著しいため、撤去・打ち替えとしました。


鼻隠部材のひび割れ。
赤いスプレーは補修すべきところのマーキングです。
ウベハウスの歴代鼻隠部材の中でも、この複雑な意匠形状となった鼻隠部材は軽量化が図られたことにより、強度的には若干弱まっているので注意が必要です。
下地をきちんと補修し塗膜でその部材を保護してあげれば、この先そう簡単に割れることはありません。


鼻隠部材の割れ部に、弾性エポキシ樹脂を充填補修。


工事中の全景。


塗装工事完了。
外壁・軒天・鼻隠及び基礎塗装は下塗り+ガイナ3回塗り。
バルコニー防水保護塗装は軽歩行を前提としているため、下塗り+遮熱防水トップ2回塗り。
屋上防水保護塗装は非歩行を前提としているため、下塗り+ガイナ3回塗り。


新築時設置の太陽光架台鉄部の塗装は、前回の防水メンテナンス時に続き、今回で2回目となります。鉄部の塗装メンテナンスも、しっかり行えばいつまでも長持ちしそうです。


PCバルコニーのトップレール付き笠木やシャッター等の塗装も完了。


足場を外し、外壁・防水保護塗装(塗装による外断熱)工事の完了です。
築後15年が経過した鉄筋コンクリート住宅ですが、そう見えないどころか、むしろ新築よりもよく見えるのではないでしょうか。
基礎部も色違いでガイナ塗装し、割り石調の外壁にガイナ独特の落ち着いた質感がよくマッチしています。


北側の基礎と外壁面。
建物の北側は車庫スペースがあるため、高基礎になっています。
もともと熱容量の大きなコンクリート住宅と相性抜群なガイナ塗装ですが、熱橋(ヒートブリッジ)による熱損失を抑えるため、基礎部分にもガイナで断熱塗装しました。