
外壁45二丁総タイル張りの、プレキャストコンクリート造(ウベハウス)3階建て住宅の外装メンテナンスと屋根塗装工事です。

施工前の状況。


外壁面を近くでよく見ると、目地シーリング(コーキング)の劣化が目に付きます。
躯体や建具(サッシ)廻りの目地にシーリングが施されていて、その上を塗装等で保護されている場合には劣化はそれほど進みませんが、写真のようにシーリングが露出している場合、劣化スピードは思ったより早いものです。


建具廻りのシーリングを撤去しているところです。
今回は露出シーリング全てを撤去・打ち替えし、塗装部のシーリングは劣化状況に応じて撤去・打替または増し打ちを行ないました。
露出部分は耐久性の高い2成分形ポリサルファイド系のシール材を使用し、塗装面の目地は1成分形ノンブリードタイプのポリウレタンシーリング材で施工しました。


バルコニー内壁のクラック(ひび割れ)状況。
内側塗装面に割れ幅0.3mm程度のひび割れが縦に数本入っています。
軽鉄手摺で中が一部空洞になっているため、このひび割れから雨水が浸入すると、床面防水層の下に廻ってしまう恐れがあります。したがって、通常のシール処理では不十分であると判断し、下の写真のようにシール処理後ガラスクロスで補強しました。


ひび割れ部分をダイレクトシール工法により弾性エポキシ樹脂を充填後、ガラスクロスをエポキシ樹脂で貼り付け補強します。


補修した箇所は更に、セメント系フィーラーを塗布し、パターン付けで補修の痕を目立たないようにしたあと塗装仕上げで完了です。


屋根下塗り(シーラー)施工中。


屋根中塗り・上塗り完了。
写真のように屋根勾配が急な場合には、屋根部分にも足場が必要になる場合があります。


横抜きドレーンが写真のようにサビてきて、そのまま放っておくとぼろぼろになって穴があいたり、躯体との取り合いシールが切れて漏水の原因になりかねません。この部分の処理には十分に気をつける必要があります。


笠木ジョイント部のシーリングに関しては、既存のシーリングを撤去して同じようにシールしても厚みが取れないため、また同じように早期の劣化が予想されます。
改修工事ではより長期間持たせるために、目地に橋をかけるようにシーリング材を盛り上げて充填します。シール材の硬化後、両側のバッカーを取り外して完了です。この補修方法をブリッジ工法と呼んでいます。


出窓の天端も外壁と同じタイル張りになっています。
近年、斜壁部分にも防水の必要性が認められるようになってきましたが、この部分は更に雨をまともに受けることから、こちらも改修工事の際には防水性を付与させておいたほうが良いと思います。
写真はタイル目地補修を行なっているところで、塗装前の下地調整です。


外壁と出窓天端の取り合い部にもシーリングを施します。


タイル面専用の防水塗装材でコーティングが完了したところです。これで安心です。


ルーフバルコニーの既存防水は、改質アスファルトシート(4mm厚のメルトーチ)に軽歩行用として硅砂入りトップコートで仕上げてありました。
実はこの部分は弊社で、約5年前に同じように軽歩行用トップコートでメンテナンスしています。その当時、防水立上りと平場部分に小さなふくれが若干見られましたが、特に悪さはしないだろうとの判断のもと、あえて防水層の切開等の補修はしませんでした。
5年経った今でもそのふくれの数は変わらず、足場のプレートに隠れて見ずらいですが、防水層の表層にひび割れが1ヶ所入っていただけでした。
防水層そのものはまだしっかりとしていましたので、防水改修(防水のやりかえ)は今回もせずに、そのひび割れの補修と端末・ジョイント部など脆弱部のシーリングを施した上で、トップコートにより表層を保護してあげれば、元々耐久性の高いメルトーチ防水なので、まだ大丈夫であると判断しました。


ひび割れ部分の補修です。
シート系防水層の補修についてはパッチを貼る方法もありますが、今回のケースでは歩行のためにあまり段差(メルトーチは4mmも厚みがあるため)を付けたくなかったため、ガラスメッシュとエポキシ樹脂で補強しました。
ひび割れ以外の脆弱部に関しては、シール材(メルトーチの場合はRAシール等ゴムアス系のシール材)を用いて補修します。


トップコート(防水保護塗装)完了です。


よく見ると基礎にひび割れが無数に入っています。
基礎のひび割れに対して神経質になっておられる方がいらっしゃいます。しかしながらこれらは構造クラック(ひび割れ)ではない場合の方が多いものです。
基礎の表面に化粧してあるモルタル(化粧モルタル)のひび割れで、構造上はなんら問題はありません。今回のケースもまさしくそれです。
ただ、そのままにしておくとその数が多くなり、モルタル層が剥離すると将来左官補修が必要になりますので、ダイレクトシール工法によりひび割れを埋めることにしました。


弾性エポキシ樹脂でひび割れを埋めたあと、補修部に樹脂モルタルを塗布します。


基礎全体を保護・化粧する目的で、基礎専用の塗装で仕上げます。


足場を外して全ての工事が完了です。
<お客様の声>

<四葉ホームより>
いつも工事のご依頼をいただき、本当にありがとうございます。
今回はご主人の長期間海外出張中とあって、しかも外装の全面改修という大掛かりなものなので、奥さまにとっては大変気苦労が多かったものとお察しいたします。にもかかわらず弊社施工スタッフに対し、いつもあたたかく接していただきありがとうございました。
私たちも工事期間中は、ご主人がいらっしゃらないので尚一層のこと、不具合箇所の見落としがないよう細心の注意を払いながら、工事をすすめましたのでどうぞご安心ください。